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台北故宮博物院でお宝の見学をしよう

更新日:11 分前


 

台湾の台北にきたら、絶対に外せないスポット言えば、「台北故宮博物院」でしょう。

  

台北故宮博物院は、台北市内の士林にあり、世界で屈指の大型博物館として知られています。所蔵品の多くは、明朝と清朝の皇宮「紫禁城」に置かれていた中国の歴代皇帝が集めた貴重な宝物なんです。その後、1911年に新政府の中華民国が建国されたので、清朝の最後の皇帝「溥儀」が、紫禁城から追放されました。それを機に、紫禁城は「北京故宮博物院」と改名され、保存されていた宝物が一般の方に公開されました。




 

1937年に日中戦争が勃発しました。宝物を守るため、中国で何回も移転を繰り返し、南京や重慶などの都市に移されました。その後、国共内戦によって、敗れた国民党が膨大な数の宝物を三回に分けて、台湾に運んできました。それらのお宝は、陶器や古銅器、玉器、翡翠の彫物、水墨画を含み約65万点があり、台湾中部の「北溝」という奥山に秘存されました。当時、所蔵品は台湾を訪問した外国の首相や総理などの高い地位の人にのみ開放されていました。1965年、台北故宮博物院が三方を陽明山山脈に囲まれている風水により縁起のいい場所に建てられ、皇帝私有の宝物が台湾で一般公開されるようになりました。



  台北故宮博物院の所蔵品は、中国から運ばれてきたもの以外、私人からの寄贈品や故宮がお金で買ったものを加算すれば、約70万点にのぼります。所蔵品は、数多くあるので、台北故宮博物院が世界有数の中華工芸品博物館として認められています。

 

現在、特別展を除いて、常設展として三か月おきに展示品が入れ替えられています。国際的な交流のため、展示品は海外で展示されたこともあります。例えば、「翡翠白菜」や「肉形石」などの人気がある至宝は、2014年に日本で展示されました。



 

 

台北故宮博物院は、中国風の宮廷建築に属しています。正門から入ると、広い歩道に出ます。歩道の両側に松の木が植えられ、巨大な白い石の柱が二本あります。その石の柱は「華表」と呼ばれ、昔中国風の宮廷でしか見られないものです。歩道の両側にある階段を上がると、入り口の地下一階に着きます。




 

地下一階へ行く途中で、ガラス屋根が見られます。そのガラス屋根に目を惹かれる書道芸術があります。迫力がある書道芸術は、約8世紀に唐朝の高僧「懐素」によって書かれたものをデザインしています。それらは、履歴書のようなもので、「自述帖(AD777)」と呼ばれています懐素は、「酔っ払い修行僧」ともの呼ばれ、豪放磊落な性格で、お酒を飲んでから書いたものがよく当時の書道家に称賛されたそうです。この自述帖はガラスの上にあり、観光客にとっては、見逃しやすいので、忘れないでください。




 

四階建ての博物院には、一階から三階まで展覧室や売店、郵便局などの施設が設けれています。四階はお茶室です。便局で両替ができます。 初めて故宮博物院に訪れた方には、一階で入場券を買う時、ついでに「日本語の音声ガイド」をレンタルすることをおすすめします。滞在時間が限られているなら、まず3階にある必見の古銅器や玉器、翡翠の彫物からご覧ください。





3階の展覧室で見られる至宝の古銅器は、約17世紀前に貴族のみ使うことができた物です。食器や武器以外、数多く祭祀の目的に使われた礼器です。銘文が古銅器に彫られているのが特徴です。





ここでいくつかの代表的な古銅器をおすすめします。最も有名なのは、「毛公鼎(BC828-782)」です。毛公鼎は、中国古銅器の中で最も長文の銘が刻ざまれたものとして知られています。銘文は500文字です。内容は、西周の皇帝「宣王」が、おじさんである「毛公」に、官職の任命の辞令や訓戒などを示した内容です。足が三本あり、獣のつま先のように見えます。



 


乃孫作祖己鼎(BC1300―700)」は、昔の貴族が先祖を祀った時に肉を置いた祭り用の礼器でした。鼎の内側に銘文が刻まれているほか、鼎の外部と足の所に美しい獣面紋が見られます。壁にもこの鼎の獣面紋の拓本を見ることができます。

 




清の末期に四大国宝の1つになっていた散氏盤(BC85-7828)」も人気があります。散氏盤の内側には、土地の帰属に関する銘文が彫られているので、中国で最古の土地契約として認められています。散氏盤に刻まれた銘文の文字は375字あり、篆書体に属しています。ちなみに、売店でその銘文と獣面紋で作られたシルク製スカーフは、きれいなので、女性の観光客に人気があります。



 

 

昔の貴族「頌氏」によって作られた大きな「頌壺(BC828-857)」にも目が惹かれます。容量は約17450リットルで、重要な祭祀などの際に使われた礼器です。頌壺は、華麗な龍の獣紋だけでなく、蓋と壺の中に銘文が各152文刻まれています。銘文は皇帝を尊敬し、子孫繁栄という意味があり、縁起がいい物と言われています。特に、蓋の底部にある高級品ブランド「シャンネル」のようなマークを、ぜひご覧ください。実は、台湾の五元コインの周り図面は、頌壺の龍の獣紋と同じものですよ。




 

「故宮一の至宝」と呼ばれている「翡翠白菜(AD1644-1911)」は、302室にあります。その工芸品は、清の皇帝「光緒帝」の妃「瑾妃」の嫁入り道具として、持ち込まれたそうです。緑と白の二色に分かれた天然翡翠から白菜を彫刻したオブジェは、元々紫禁城にある「永和宮」という瑾妃の寝室に飾られていました。白菜の上に留まっているのは、キリギリスとイナゴです。キリギリスは「一生の幸せ」を、イナゴは「子孫繁栄」を願っていると推測されています。白菜は、純潔を象徴する意味があるほか、発音は「百財」と似ているので、人々に愛されています。

 



 

もう一つ人気の高い至宝は、翡翠白菜のそばに置かれた「肉形石(AD1644-1911)です。肉形石は、元々紫禁城にある「養心殿」という清の皇帝の寝室に飾られていたものだそうです。肉形石は、三層に分かれた天然石に巧みな技法で彫刻がされた後、染色された豚の角煮そくっり工芸品です。素晴らしい工芸品ですので、何回見ても称賛が絶えません。




  

必見の至宝はさらにあります。それは、「玉石の屏風(AD1941)」です。その屏風は、1941年に中国の軍閥「汪精衛」が昭和天皇に贈ったものですが、第二次世界大戦後、返却されて、今では台北故宮に所蔵されています。大きくて気品のある玉石の屏風は、見逃さないでください。



 

 

次に、二階です。宋の時代(AD960)以後に作られた陶磁器などのコレクションが展示されています。ここにも日本からの返却品と寄贈品があります。

 

台北故宮で代表的な陶磁器と言えば、宮廷用の花器「汝窯青磁無紋水仙盆(AD1086‐1106)」でしょう。水仙盆は、宋の時代の末に「青磁」という窯材で焼かれた水仙用の花器で、最高級で有名な「汝窯」という陶磁器に属しています。このような汝窯工芸品は世界に90点しか現存しないそうです。台北故宮にはそのうちの21点が所蔵されています。特に、この汝窯青磁無紋水仙盆は、全くむらがなく完璧な汝窯と言われています。1761年清の皇帝「乾隆帝」が汝窯青磁無紋水仙盆の底部に詩を書きました。詩の内容により、この水仙盆は清の時代の犬用の餌置きの容器だったと推測されています。




 

「定窯白嬰児枕(AD960‐1127)」は、男の赤ちゃんの形をした陶磁器の枕です。子孫繁栄を象徴する意味がある枕は、宋の時代の「定窯」という陶磁器に属しています。定窯は「定州」という所で作られた民間の名窯で、宋の時代の五大名窯の1つとして知られていました。同じような枕は世界に僅か三つしかなく、そのうちの二つは台北故宮に所蔵されています。二つの枕は、焼き方の時間によって色が異なりますが、清の皇帝「乾隆帝」とその皇后が使ったことがありました。独特なデザインが可愛らしいので、多くの観光客魅了されています。




  

中国の唐の時代に黄色、緑、御茶色の三色の釉薬を使って、低温で焼かれた陶磁器は「三彩陶」と呼ばれていました。三彩陶は、様々な器や人などの模様があり、貴族の葬礼の副葬品として使われました。台北故宮で代表的な三彩陶と言えば、「三彩天王像」や「三彩馬球仕女」などの陶磁器です。



三彩天王像(AD618-907)」は、威厳に満ちた天王足が牛を踏んだ姿が墓の守護神として使われました。この所蔵品は、佐藤栄作元首相の奧さんが台北故宮に送ったものだそうです。「三彩馬球仕女(AD618-907)」は、素晴らしい焼成技術によって美しい艶が引き出され、多面的な美しさを実現しました。




 

一階の展覧室に展示されている代表的な所蔵品は、「彫象牙透花雲龍紋套球」と「珊瑚魁星點斗盆」です。「彫象牙透花人物套球(AD1850-1900)」は、象牙から巧みな技法で彫刻された球体の工芸品です。内部は18層に分かれ、各層には山水や人物などが彫刻されています。作り方が想像できないこの工芸品は、120年をかけて完成したそうです。




 

 珊瑚魁星點斗盆(AD1644-1911)は、珊瑚で彫刻され、「魁星」という学問を司る神様を主体として、「吉祥」を象徴する工芸品です。中国では、官僚の昇進を順調に進めるため、魁星を祀る習慣があります。魁星は、「鰲魚」という魚に足をかけて、手が北斗七星の第一星を持っていることから見ると、首位を取ることを表しています。





台北故宮博物院の膨大な数の至宝は、すでに貴重な文化遺産になっています。そして何度訪れても新しい発見と感動があります。人混みを避けるため、朝の開館直接に行った方が賢明ですよ。



(許可なく転載することを禁じます)



参考:

台北故宮博物院

台北市士林區至善路二段 221號

定休日:月曜日

 

 


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